海外移住後の国民健康保険はどうなる?海外移住と国民健康保険の関係

海外で心配になるのが、健康のこと。万が一のために保険に加入しておきたいですが、日本には国民健康保険があるので安心でした。では、海外移住後は国民健康保険の扱いはどのようになるのでしょうか。海外移住と国民健康保険の関係についてご紹介します。

国民健康保険は、被保険者の疾病・負傷・出産又は死亡に関して必要な保険給付等を行います。例えば病院や診療所で治療費を払いますが、原則3割負担(高齢者1割)で済んでいるはずです。通常、残りの7割を国(保険料を負担している国民)が負担しています。

海外移住と国民健康保険の関係

海外移住後の国民健康保険はどうなるの?

国民健康保険の対象者は一般的に会社員等が加入する健康保険や船員保険・国家公務員共済組合・地方公務員共済組合および私立学校職員共済組合以外で市町村の区域内に住所を有する人は全員加入する必要があります(厳密には対象者の区分有り)。

つまり、海外転出届を出している(住民票を抹消している)方は国民健康保険に加入できないことになり、届け出を出した時点で強制脱退となります。そのため、届け出を出すタイミングには十分気をつけましょう。

国民健康保険に任意で加入できるのか?

では、国民健康保険は国民年金にように任意加入できるのかというと、任意で加入する制度がありません。海外転出届を出した場合、国民健康保険から脱退することになります。そのため、海外転出届を出すかどうかの判断のひとつになります。

国民健康保険の手続き方法

海外移住の前に会社を退職される方は、先に国保へ切り替える手続き(14日以内)が必要となります。社会保険の喪失日(退職日の翌日)以降にお住まいの市区町村で「資格喪失証明書」か「雇用保険の離職票」を準備して手続きをします。

脱退になる方は海外移住前に国民健康保険被保険者証を市役所の窓口に返却しますが、海外転出届を出すと再就職の場合のような「国民健康保険被保険者資格喪失届」は必要がありません。保険者(管轄)が市町村であるため、海外転出届を出すと自動的に国民健康保険の脱退となります。

海外移住後の健康保険はどうすればいいの?

海外転出届を出した場合は国民健康保険を脱退することになるため、通常は移住先の公的保険か私的保険に加入することなります。また、日本で既に加入している医療保険については海外移住後も適用になる場合があるので事前に保険会社に確認しておきましょう

注意が必要なのは海外旅行で加入できる旅行傷害保険は、短期間の旅行移動を対象としているため、基本的に海外移住(1年以上の滞在等)のような場合は対象外となっています。やはり、海外定住を考えている方は、現地の健康保険に加入する方が望ましいでしょう。

もし海外移住先への移動中にケガや病気をしたら?

日本居住者で国民健康保険で海外でケガや病気をしてしまったときには、「海外療養費」を請求することができる場合があります。海外療養費とは、海外でも日本国内と同様に原則3割負担で診療や治療を受けた場合に保険が使える制度です。

但し、この海外療養費は日本国内での同様のケガや病気をして治療を受けた場合を基準(標準額)にして支給額が決まります。そのため、現地国で受けた治療費が日本の標準額よりも高い場合でも、支給額が少なることがあります。海外旅行保険や私的保険に加入しておくことをオススメします。

一方、海外転出届を出している場合は国民健康保険が適用ではないため、民間の海外旅行保険かクレジットカードに付随する海外旅行保険でカバーできるか検討しましょう。但し、海外旅行保険は一般的に90日までが対象なので注意が必要です。

その他、海外転出届の転出日を移住国の到着後にしておくと、移動中であっても海外療養費の適用になる場合があります。

国民健康保険の保険料

国民健康保険の保険料は、国民年金のような定額ではなく、世帯主(本人)を含む世帯の所得によって異なります。市町村によっても計算方法が若干違いますが、一般的には下記の方法によります。

一般的に総所得金額等(前年1月~12月)を元に算定基礎額が決められ、算定基礎額を基準として所得割額と均等割額が算出され平等割額と40歳から64歳までの被保険者には、さらに介護額が加算されます。4月に金額が確定し、6月頃に納付書が送られ翌年3月までの10回で納付か、口座振替で支払います。

所得がない場合は算定基礎額や所得割がないので、扶養者がいない場合で月額約2,000~3,000円程になります。扶養家族の人数などによっても異なります。市町村役場の担当課に聞くと世帯ごとの負担額を教えてもらうことができます。

海外移住者は任意継続被保険者になれるのか?

海外移住前に会社を退職すると、その翌日から健康保険の被保険者資格が喪失します。しかし、他の健康保険に加入することが原則なので、基本的に国民健康保険が強制加入になります。その他に、会社の「任意継続被保険者」になるという方法があります

任意継続被保険は健康保険の被保険者期間が継続2ヶ月以上あり、 退職の翌日から20日以内に手続きをすれば、退職後も継続して2年間は任意継続被保険者として健康保険に加入する事ができます。 但し、任意継続被保険は国民健康保険と同様に海外転出届を出した場合は加入できないので注意しましょう。

国民健康保険と任意継続被保険の違いは、「保険料」。私の場合は退職前に任意継続するかどうかを会社から確認されましたが、任意継続の場合の保険料は月額約3万円、国民健康保険料は月額約4万円だったので、任意継続被保険の方が年間で約12万円ほど安くなりました。一般的には、国民健康保険と比べて任意継続被保険の方が安くなるようです。ご自身でご確認ください