国民年金受給資格期間が10年に短縮されたときの影響

最近、政府は閣議で年金受給資格期間を25年から10年に短縮する関連法案を決定しました。法案が成立すれば、来年10月から施行されます。期間が短縮されると、海外移住者にどのように影響が出るのでしょうか。今回、海外移住と年金についてご紹介します。

海外移住と年金の関係

海外でも国民年金(老齢基礎年金)は受け取りができる

国民年金は、日本の制度。海外でも国民年金が受け取れるのか心配になりますよね。国民年金を受給する資格を得た場合、届書「年金の支払を受ける者に関する事項」に海外の現地銀行口座を指定することで年金を受け取ることができます。ただし、<原則として銀行で日本円から現地通貨に両替後に振り込まれるので注意が必要です。

国民年金(老齢基礎年金)の受給資格

国民年金、正確には老年基礎年金は300か月(約25年)の加入期間があれば、現在であれば原則として60歳から年金が支給されます。この25年というのは、学生特例期間を考慮しても大卒で約50歳まで加入して初めてもらうことができる期間です。

50歳という年齢は若者にとっては果てしなく遠く感じる年齢です。将来の年金よりも現在の生活を良くすることで精一杯の方や、年金受給年齢の引き上げ、支給金額の減額も仕方なしとされる中、年金を毎月払い続けることができないことが問題になりました。

本来は消費税を10%に増税した後に短縮される予定でしたが、増税の動向が見えない中、年金問題を解決する方法のひとつとして受給資格期間の短縮を決定しました。これで加入者が増えるかは未知数ですが、海外移住者・海外生活者に影響があるのでしょうか。

海外移住と年金の関係

海外移住者・海外生活者といっても、転出届(住民票の抹消)を届けているかどうかで事情が異なります。届け出をしている場合は国民年金への加入は義務ではなくなります。その場合でも、非居住者は通称カラ期間と呼ばれる期間は、受給資格期間に含まれます

ただし、カラ期間は年金支給額は反映されないため、将来の年金支給額を心配している方には任意加入をする制度があります。転出届を出している方は、完全帰国後になった場合でも保険料の支払いができるならば影響はほとんどありません。

この期間短縮で影響が大きいのは、転出届(住民票の抹消)を出さずに海外移住・海外生活をされている方。海外で生活していても日本国民の義務で原則として20歳から国民年金に加入する必要があり、若いうちに海外移住・海外生活をしている方の中には国民年金保険料が未払い状態になることが多くなります。

今までは原則25年という縛りがあったため、例えば会社員になって数年で海外移住をしてしまうと、国民年金の掛け捨てというイメージがありました。これが10年で受給資格を得られるようになると、これから払おうとする方が増えてくる可能性があります。

受給期間短縮への改正は年金を考えるチャンス

実は、20歳から60歳にまでの40年間国民年金保険料を納付して満額を受給できても年間78万100円(平成28年度)にしかなりません。これが最低受給資格の10年しか保険料を払い込みをしないと、単純に約19万円となり、月額で1万円ちょっとにしかなりません。これでは安心した老後の生活になりませんよね。

将来のことを考えるならば、これから国民年金保険料を支払っていくか、私的年金と呼ばれる自己防衛をするか、海外移住先で年金のような制度に加入するかを今のうちに考えておく必要があります。ただし、日本非居住が後から資金の余裕ができたからといって遡って保険料を支払うことができる期間は限られているで注意が必要です。

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