今、議論されている出国税。これから海外居住者への影響は?

2017年10月に観光庁が訪日外国人旅行者を対象とした「出国税」を検討しているというニュースがありました。海外では出国時に空港使用料や他の名目で課税することがあります。日本も訪日外国人の増加を受けて、財源確保に向けて実施を検討しています。

そこで注意したいのが「国外転出時課税制度」との違いです。こちらも導入時に「出国税」と呼ばれていました。ここでは2つの出国税の違いをご紹介しておきます。

国外転出課税制度とは?

国外転出課税制度は、2015年に導入された主に富裕層を対象とした制度。平成27年7月1日以後に国外転出(国内に住所及び居所を有しない。)をする一定の居住者が1億円以上の対象資産を所有等している場合には、その対象資産の含み益に所得税及び復興特別所得税が出国時に課税されることとなりました。

実は、この「資産の含み益」は今までにない概念です。一般的には、利益や損失が確定してからの課税又は還付になりましたが、利益も確定していないのに出国時の時点で課税をしておこう!というものだからです。特に、有価証券などは株価が上がれば、含み益が増えていくことを考えると納税額が膨らんでしまうことになります。

もちろん、日本に帰国後に日本居住者として売却したときに納税した金額よりも少ない利益または損失が出ていれば還付を受けられることになります。それならば、別にいいんじゃない?と思われるかもしれませんが、もし、税金を払っていなければそのマネーで資産運用ができたかもしれません。

日本の銀行と違って海外の銀行は預けるだけで利子が数%もつくことがあります。その機会を納税のために失うことになります。海外移住を計画されている方で1億円以上の対象資産を所有している場合は下記のサイトなので確認しておきましょう。さらに、日本居住者のままでいる方は、「国外財産調書制度」も関係してくるので注意が必要です。

関連サイト:国外転出時課税制度(国税庁)

では、今回の出国税とは?

今回、ニュースで取り上げられた出国税は、主に訪日外国人が日本から居住国に帰国する際に支払う税です。出国ごとに課税され、現在、約1,000円を出国税として徴収しようと検討されているようです。つまり、国外転出課税制度とは全く意味が異なるので注意しましょう。

海外居住者への影響として考えられるのは、出国税を日本人が出国する際にも課税するかどうかということです。海外では国内外平等に税を課すというルールがあり、このルールに則ると日本人も出国税を支払うことになります。

もし、日本人にも課されるようになると、海外居住者は一時帰国で日本に帰国することがあると思いますが、現地国に戻るときに出国税を払わないといけなくなる恐れがあります。観光が主目的でなく家族に会うための帰省でも、課せられるのは理不尽な感じがしますね。

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