海外移住と贈与

平成27年から予定されている相続税の増税。この相続税の増税に合わせて、贈与税も改正されることになりました。改正にあわせて、生前贈与の仕組みや新しく出来た教育資金の贈与などを知っておくと節税に役立ちます。そこで、海外移住に関わる贈与についてご紹介します。

1.複雑化する贈与税の改正

贈与税は、毎年1月1日から12月31日までの間に、個人が贈与により取得した財産の価額に対して税率がかけられ課税されます。年間110万円までは課税の対象とならないことは、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

この贈与税は平成27年1月1日から税率などが変更されます。贈与者の区分に応じて税率が変わり、その税率も細分化されています。

さらに※相続時精算課税制度といわれる生前贈与を活用する場合の適用範囲が、贈与者が現行の65歳以上から60歳以上へ、そして贈受者が現行の20歳以上の子から20歳以上の孫も加えることになりました。

税率が適用条件によって細分化されているため、複雑になっているので注意しましょう。

※相続時清算課税制度:生前の贈与税を2500万円まで課さないことにより、贈与を受けた人がお金を使いやすくする経済刺激策のひとつとされています。

2.海外移住と贈与税の関係

原則として日本国外財産についても、日本の贈与税の課税対象になります。但し、日本国籍を持つ方で「被贈与人(贈与する人)」と「贈与人(贈与される人)」の両方が5年以上継続して非居住者であった場合のみ、海外の財産に課税されません。

つまり、海外の財産に課税されないためには「贈与する人」と「贈与される人」が共に5年間、海外に生活拠点を移す必要があることになります。そのため、単純に海外移住や海外に資産を移すだけは課税対象から外れることはありません。

参考サイト:No.4432 受贈者が外国に居住しているとき(国税庁)

3.海外留学をしている子供に生活費や教育資金を渡す場合

日本では扶養者間で生活費や教育費に充てるため取得した財産には、一般的には贈与税は課されないとされています。これは日本と海外であっても同様の解釈なっているようです。ただし、子供に住宅の購入費など資産に該当する場合は贈与税が課されます。詳細は税務署または税理士さんにお尋ねください。

また、平成25年度税制改正において創設された「教育資金の一括贈与の非課税制度」の利用を検討しても良いでしょう。

参考サイト:

「祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし」などについて(国税庁)

教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置(文部科学省)

4.贈与税はいくらかかるのか?

贈与税は、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与によりもらった財産の価額を合計します。そして、その合計額から基礎控除額110万円を差し引き、税率を乗じて税額を計算します。

参考サイト:No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)(国税庁)

5.年間110万円を超える贈与が発生した場合の手続き

その年に基礎控除額の110万円を超える財産の贈与を受けた場合には、翌年2月1日から3月15日の間に住所地の所轄税務署に対して贈与税の申告書を提出して、その税額を納付しなければなりません。

参考サイト:

【贈与税の申告等】(国税庁)

平成25年分贈与税の申告のしかた(国税庁)