富裕層の税逃れを防ぐための出国税という仕組み

最近、相続税や贈与税の改正で富裕層に対する課税が既に公表されていますが、今回、新たに海外移住をする富裕層に対して下記のような課税の仕組みが検討されていることが公表されました。

富裕層の税逃れ防げ 海外移住者の株含み益に課税

政府・与党、15年度実施へ検討

政府・与党は21日、富裕層の税逃れ対策を強化する検討に入った。1億円を超える金融資産を持つ富裕層が海外に移住する場合は株式などの含み益に所得税を課税する。

出典:日本経済新聞(一部抜粋)

出国税という考え方

出国税は聞きなれないキーワードですが、個人富裕層が日本を出国し非居住者となる際に保有する株式等の含み益に課税するというものです。既にアメリカ、フランス、イギリスなど欧米主要国で導入され、 富裕層の海外移住による税逃れを防止する課税方法です。

出国税の仕組み

所得税は税法上の「居住者」と「非居住者」どちらに分類されるかで納税する国が変わりますが、通常は日本国内で得た所得は日本で納税する必要があります(全世界課税制度といいます)。

ただし、日本に事業を行う恒久的施設(PE)がない方が株を売却した場合の譲渡益については、所得税が基本的に課税されません。仮に課税される場合でも日本と移住国とで租税条約を締結をしていると、通常は日本で納税をせずに移住国で納税することになります。

もし、仮に移住先の国で売却益に税金がかからない、又は低税率であれば海外移住をした方が納税が少なくて済むことになります。そのような事例が多く散見されていたため、税制調査会で議論のひとつとなっていました。

国外資産を把握する仕組み

日本居住者が国外に12月31日時点で5,000万円以上の資産を所有している場合は、「国外財産調書」の提出が既に義務化されています。日本非居住者には適用はありませんが、近年は国外資産の把握に力を入れていることが明らかです。

関連サイト:国外財産調書制度

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