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【海外移住で住宅ローン控除はどうなる?】海外在住のための手続き

海外移住と住宅ローン控除

海外移住しても住宅ローン控除を受け続けられるのかな

海外移住の手続きを紹介している、みつきです。海外赴任や海外永住などで海外移住の予定がある人が気になるのが、住宅ローンが残っている場合。

なかには、海外在住者になっても住宅ローン控除を受け続けられるのか疑問に持つ方も。

海外移住しても住宅ローン控除を使って減税になるのでしょうか。

そこで、今回のコラムでは海外移住で住宅ローン控除がどうなるかを解説します。

このコラムの著者
みつき

海外移住FP

プロフィール

元ニュージーランド在住者の海外移住FPみつきです。

このブログでは、「海外で、暮らす、楽しむ。」をテーマに海外移住の手続き、海外移住の準備、海外生活hack、一時帰国hackをお伝えしています。

目次

そもそも、住宅ローン控除とは?

住宅ローン控除は、正式には「住宅借入金等特別控除」といいます。

返済期間が10年以上の住宅ローンを借入れ、マイホームの購入や改装等をした場合に所得税や住民税の一部が還付される制度。

この住宅ローン控除の適用を受けるためには、各融資機関が発行する「融資額残高証明書」と共に確定申告の手続きが必要になります。

通常は給与所得者であれば初年度のみ確定申告が必要で、2年目以降は会社の年末調整の際に申告書を勤務先に提出します。

一方、給与所得のみ以外の方は、毎年、確定申告が必要です。

住宅ローン控除の仕組みを知りたい方は、下記のサイトをご確認ください。

参考:住宅ローン減税|国土交通省

では、海外移住をすることになったら、住宅ローン控除はどうなるのでしょうか?

海外移住で住宅ローン控除はどうなる?

住宅ローン

結論から言うと、住民登録を抹消(住民票を抜く)するしないに関わらず、原則として住宅ローン控除を利用することはできません

その理由について、国税庁サイトから適用条件の一部を下記のように抜粋してみました。

この住宅ローン控除の適用を受けるための要件の一つとして、居住者が住宅ローン等を利用して居住用家屋の新築若しくは取得又は増改築等(以下「住宅の取得等」といいます。)をした日から6か月以内にその者の居住の用に供し、かつ、その年の12月31日まで引き続きその者の居住の用に供していることが必要とされています。
引用:No.1234 転勤と住宅借入金等特別控除等|国税庁

ここで問題になるのは「12月31日まで引き続きその者の居住の用に供していること」です。

つまり、住民登録の有無に関わらず、居住の用に供していることが適用条件になります。

海外移住をしてしまうと、居住の要件を満たせなる可能性があります。詳細は、管轄の税務署で確認しましょう。

海外赴任で単身赴任する時の住宅ローン控除

結論から言うと、住宅ローン控除は「居住者」に限られているので、原則として1年以上の海外赴任であれば適用はありません

また、家族が日本に残っている場合も同様の取り扱いになります。

なお、すでに住宅ローン控除の適用を受ける人で、海外赴任が終わって帰国後に居住した場合は一定の手続きを行うことで再適用を受けることができます。

上記のNo.1234 転勤と住宅借入金等特別控除等には、単身赴任の場合の規定が別途記載されています。

(1) 単身赴任等の場合
家屋の所有者が、転勤、転地療養その他のやむを得ない事情により、配偶者、扶養親族その他生計を一にする親族と日常の起居を共にしない場合において、その住宅の取得等の日から6か月以内にその家屋にこれらの親族が入居し、その後も引き続き居住しており、当該やむを得ない事情が解消した後はその家屋の所有者が共にその家屋に居住することと認められるときは、その家屋の所有者が入居し、その後もその家屋の所有者が引き続き居住しているものとして取り扱われ、この特別控除等の適用を受けることができます。

なお、この取扱いは、転勤先が国外である場合は、次のとおりとされます。

イ 平成28年3月31日以前に住宅の取得等をした場合
 この制度の適用対象者が「居住者」に限られているため、家屋の所有者の転勤先が国外で「非居住者」に該当する非居住者期間中は、この取扱いの適用はありません。しかし、居住者期間中に住宅の取得等をして、その後、帰国してその家屋に居住する生計を一にする親族とともに年末まで引き続き居住の用に供した場合には、残存控除期間につき、この特別控除等の適用を受けることができます。
ロ 平成28年4月1日以後に住宅の取得等をした場合
 家屋の所有者が居住者であるか非居住者であるかにかかわらず、その者と生計を一にする親族がその家屋に年末まで引き続き居住していれば、この取扱いの適用を受けることができます。ただし、居住期間中の給与所得や出国後の国内不動産所得などの総合課税の対象となる国内源泉所得がある年分に限られます。

(2) 住宅借入金等特別控除等の適用を受けていた者が、家族と共にその家屋を居住の用に供しなくなった場合(再び居住の用に供した場合の再適用)
 その者が居住の用に供しなくなった日の属する年以降、住宅借入金等特別控除等の適用は受けられませんが、次の全ての要件を満たす場合は、その家屋を再び居住の用に供した日の属する年(その年において、その家屋を賃貸の用に供していた場合には、その年の翌年)以後、残存控除期間につき、この特別控除の再適用を受けることができます。

イ 勤務先からの転任の命令その他これに準ずるやむを得ない事由があること。
ロ 平成15年4月1日以後に、その家屋をその者の居住の用に供しなくなったこと。
ハ 家屋を居住の用に供しなくなる日までに、一定の手続を行っていること。

(3) 居住の用に供した日の属する年の12月31日までに、家族と共にその家屋を居住の用に供しなくなった場合(再び居住の用に供した場合の適用)
 次の全ての要件を満たす場合は、当初居住の用に供した日の属する年以後(平成24年12月31日以前に居住の用に供しなくなった場合には、当初居住の用に供した日の属する年の翌年以後)、その家屋を再び居住の用に供したときは、その再び居住の用に供した日の属する年(その年において、その家屋を賃貸の用に供していた場合には、その年の翌年)以後、残存控除期間につき、この特別控除の適用を受けることができます。

イ 勤務先からの転任の命令その他これに準ずるやむを得ない事由があること。
ロ 平成21年1月1日以後に、その家屋をその者の居住の用に供しなくなったこと。
ハ 当初、住宅の取得の日から6か月以内にその者の居住の用に供していること。

なお、上記(2)及び(3)の取扱いは、転勤先が国内・国外いずれにおいても同様とされます。
引用:No.1234 転勤と住宅借入金等特別控除等|国税庁

長くて読みずらいですが、ポイントは下記のとおりです。

住宅の取得日で規定が変わる

平成28年4月1日以前に住宅を取得した場合は国内・国外とわず、単身赴任で残った家族が住む住宅に対して住宅ローン控除は受けられませんでした。

これが平成28年4月1日以後の取得では、国内のみの単身赴任であれば適用されることになりました。

つまり、国外の単身赴任の場合、住宅の取得日にかかわらず住宅ローン控除は適用されません。

1年以上の海外赴任では適用されない

国外の単身赴任で住宅ローン控除が適用されない理由は、1年以上の海外赴任では日本側から給与が発生しても国外所得になってしまうからです。

住宅ローン控除ができるのは国内所得になっているので、所得税上の非居住者扱いになり控除ができません。

これは住民登録の非居住とは関係はないので、住民票を残したままでも同様の扱いになります。

今後、内容は変更される可能性があります。必ず、各自で控除の対象になるかどうかを確認しましょう。

海外移住と住宅ローン控除の関係まとめ

今回のコラムでは「【海外移住で住宅ローン控除はどうなる?】海外在住のための手続き」を紹介しました。

住宅ローン控除は「居住者」に限られているので、海外に住所を移転すると同時に住宅ローン控除の適用はなくなります。

また、家族が日本に残っている場合も同様の取扱になります。

住宅ローン控除が受けられなくなってしまうと、納税額も変わってくるので注意が必要です。

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