贈与・相続

【回答】海外在住者が相続の手続きをすることになったら?【突然相続】

突然相続
日本に住んでいる親族が亡くなったので相続の手続きについて知りたい人向け。

「海外生活中に日本にいる親がなくなったので、急遽、帰国しなくてはいけなくなりました。相続とかの問題もあるらしいので、海外在住者が知っておくべき相続手続きについて詳しく知りたい。」

こういった疑問に回答します。

こんにちは、海外移住FPです。
当サイトでは、ブログを書きつつ海外移住の手続きやコツを紹介しています。

私の父も海外在住中に他界しました。葬式などの手配は母親が取りまとめてくれたのですが、急に相続の手続きが必要なことがわかって、慌ててしまいました。突然、相続の問題とか起こると悲しんでばかりはいられません、

特に海外在住者は日本に長期間滞在できないことも多いので、相続の手続きを迅速に済ませないといけないという時間的な制約も発生します。

このコラムでは、「突然、親族が亡くなったら相続などの手続きをどうすればいいのか」が分かります。

そこで、今回は「【突然相続】海外在住者が相続の手続きをすることになったら?【何をすればいいのか】」をご紹介します。

【突然相続】海外在住者が相続の手続きをすることになったら?【何をすればいいのか】

一時帰国までに「サイン証明書」や「在留証明書」を取得しておきましょう。

基本的な相続の手続きは海外在住にかかわらず同じですが、もし住民登録を抹消している場合には面倒なことになりかねないことがあります。

まずは遺産分割協議書から。

遺産分割協議書とは

相続が発生した場合に、相続人が海外に居住していることも当然ありえます。ただ、海外に在住している相続人も含めて相続人全員が遺産分割の協議をし、遺産分割協議書を作成しなければいけません。

つまり、海外にいて遺産分割協議に参加できないとの理由だけで、その海外にいる相続人を除いた遺産分割協議を行っても、それは無効と扱われてしまいます。

実は、その遺産分割協議書を作成する上で、この遣産分割協議書には、相続人全員の署名・実印での押印、そして印鑑証明書の添付が必要です。ただ、もし日本に住所が既にない場合には、印鑑証明書の代わりにサイン証明書を添付することが可能です。

印鑑証明書の代わりになる「サイン証明書」

海外に住んでいる相続人は、遣産分割協議書に実印を押して印鑑証明書を添付するということができないことになります。このままでは、相続財産の中に不動産があっても、その登記を変更する手続ができません。

では、印鑑証明書がとれないのであればどうすればいいかというと、印鑑証明書の代わりになるものに「サイン証明書」があります

この場合、海外では、実印の代わって署名(サイン)で行いますので、海外にいる相続人は、遺産分割協議書に署名(サイン)を行うことが可能です。

サイン証明書は領事館等の在外公館に出向いて遺産分割協議書に相続人が署名した旨の証明(サイン証明)をもらってきて、このサイン証明を遺産分割協議書に添付することで対応します。

ただし、サイン証明書には2種類の形式があり、遺産分割協議書などの相続手続きで使用する場合は注意が必要です。

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住民票の代わりになる「在留証明書」

もし、相続財産の中に不動産がある場合には法務局に対して相続登記を行う必要があります。この登記申請には住民票が必要になり、日本国内にいる相続人の住所を証明するには住民票などを使います。

ただ、海外に住んでいて住民登録をしていない場合は、国内に本籍が残っていたとしても住民票がないので登記ができません。そこで、住所を証明する書類として、「在留証明書」というものが必要になります。

この在留証明書は、現地の日本領事館などにパスポートや運転免許証といった現住所にいつから居住しているのかを証明できる書類を提示することによって申請・取得することができます。

参考サイト:在留証明(外務省)

サイン証明書や在留証明が取りに行けない場合は?

ただ、基本的にサイン証明書や在留証明は現地の領事館などの在外公館で取得しなければいけないので、急に親族が亡くなってすぐにでも帰国せざるを得ない場合や在外公館が近くにない場合ということがあります。

その場合はどのようにすればいいのでしょうか?

実は、サイン証明は日本にある公証人役場でも取得することができます。原則として綴り合せタイプとなり、署名押印が必要な書類を持参しなければなりません。

一時帰国をして公証人役場にてサイン証明を取得する場合は、手続き前に公証人役場に問合せをして必要な書類などを確認しておきましょう。

ここで、注意しなければいけないのが、在留証明書は日本に帰国時には取得できないということです。あくまで在留証明は居住国の日本大使館や領事館で取得する必要があります。

帰国してから色々書類を揃えようと思って、居住国で何もせずに戻って来てしまうと面倒なことになるかもしれません。

相続の3か月ルールを知っておく

実は、「相続」と言っても遺産を相続をするかしないかを選択することができます。借金などの負の遺産も十分にあり得るので、遺産の精査が必要です。ただ、放棄などをする期間が定められています。

相続の範囲などを決めることができる期間が相続の3か月ルールです

民法915条1項では、
「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない」
と規定されています。

親族が亡くなって慌ただしい中で、財産を詳しく調べて必要があれば書類を用意して裁判所に放棄などの手続きをする必要があります。そのための3か月です。

これが海外在住ともなると財産を詳しく調べる時間的な制約がでてくるので、行政書士などの専門家に遺産相続について相談するのも方法のひとつです。

一時帰国までにサイン証明や在留証明を取得しておきましょう!

突然、相続が発生して慌ててしまうかもしれませんが、色々な手続きをやっていかないといけないので、まずは相続に必要な書類や何をすべきかのチェックリストを作成しましょう。