医療・保険

【回答】長期滞在でも海外療養費制度は使えるの?【条件あり・歯科治療OK】

海外療養費
海外旅行中に現地の歯医者で歯の治療することになった人向け。

「海外旅行中に虫歯が痛くなって現地の歯医者さんに行きました。日本の国保が海外でも使えるのでしょうか。」

こういった疑問に回答します。

こんにちは、海外移住FPです。
当サイトでは、ブログを書きつつ海外移住の手続きやコツを紹介しています。

日本居住者で住民登録を抹消していない方(住民票あり)が、海外で治療を受けた場合に日本国内と同様に保険が適用される場合があります。ただし、支給条件や海外特有の事情も知っておかなければいけません。

このコラムでは、「海外で治療を受けた場合の海外療養費制度で知っておくべきこと」が分かります。

そこで、今回は「海外旅行者が知っておきたい海外療養費制度とは」をご紹介します。

海外旅行者が知っておきたい海外療養費制度とは【

日本国内に住民票を持たない海外在住者は適用外。歯科治療もOK。

海外療養費制度とは

国民健康保険の被保険者が海外旅行中などに病気やけがで、やむを得ず現地の医療機関で診療を受けた場合に一定の条件を満たせば申請により医療費の払い戻しが受けられる制度。

近年、海外療養費制度を悪用した不正請求が問題になり、厚生労働省の通知等に基づき、申請の受付・審査が厳しくなっています。

支給対象

支給対象となるのは、その治療が日本国内で保険診療として認められている医療行為に限定されています。

例えば、以下のような治療の場合には支給対象となりません。

  • 保険適用外(美容整形やインプラント、歯列矯正など)
  • 治療を目的に海外へ渡航し治療を受けた(不妊治療など)
  • 自然分娩

つまり、日本の健康保険制度を使用するため、日本の病院で保険対象外の医療については、海外で受けたとしても海外療養費の対象となりません。

支給要件

海外療養費は、日本に住所(住民票)のある人が旅行などで短期間海外に渡航したときに医療機関を受診した時に給付される制度です。

なので、長期間(概ね1年以上)日本国外に居住・滞在する場合には制度の対象外となります。

もし1年以上の長期にわたり国外に滞在する場合、住居の本拠地が日本にないと判断される場合には住民登録していても転出手続きが実行される場合があります。

支給額

日本国内の医療機関等で同じ傷病を治療した場合にかかる治療費を基準に計算した額(実際に海外で支払った額の方が低いときはその額)から、自己負担相当額(患者負担分)を差し引いた額が給付されます。

ここで注意したいのが、海外療養費制度で支払われる給付額は、現地で支払った医療費を基準とするのではなく、その医療を「日本で受けた場合」に通常かかる医療費が基準となることです。

仮に現地の病院で治療を受けて医療費に数百万円かかったとしても、日本で受けていたら数万円で受けられるようなものだった場合には数万円が海外療養費の基準額となってしまうわけです。

例えば、盲腸で治療を受けた場合、治療費の総額が日本では約60万円なのに対し、海外では100万円を超える国もあるということになります。

また、支給額決定の際には支給決定日の外国為替換算率(売レート)が用いられます。

申請に必要なもの

申請に必要なものは、市町村によって異なる場合がありますが、島根県浜田市の場合は以下のとおり。

  1. 療養費支給申請書
※窓口に備え付けてあります。また、申請書の「発病の原因」「傷病の経過」「療養内容」欄は具体的に記入してください。
  2. 診療内容明細書及び領収明細書
※病院ごと、月ごと、外来・入院ごとに1枚づつ作成し、医療機関等の証明を受けてください。
※渡航時に持参していない場合は、医療機関等の様式の診療明細書・領収明細書で必要事項が確認できれば申請を受け付けますが、審査ができない場合は不支給とします。

診療内容明細書(PDF)
領収明細書(PDF)
領収明細書(歯科用)(PDF)
国際疾病分類表(PDF)
  3. 現地で支払いした領収書の原本
  4. 2及び3、その他外国語で記載された添付資料の日本語訳
※翻訳者の氏名、住所が記載され、押印されているもの
  5. 渡航期間がわかるパスポートの写し
※空港において自動化ゲートを利用し、パスポートで日本の出入国及び渡航先の出入国が確認できない場合(スタンプがない場合)は、「出入国記録の開示請求」を行っていただき、渡航の証明を提出していただく必要があります。(開示請求の手続きは、法務省のホームページを参照してください。)
  6. 調査に関わる同意書
※必要に応じて、治療を受けた医療機関等に、療養等の有無や内容を照会させていただくことがあります。
調査に関わる同意書(PDF)
  7. 海外渡航理由の届書
海外渡航理由の届書(PDF)
  8. 国民健康保険被保険者証
  9. 世帯主の印かん(スタンプ印は不可)
 10. 世帯主名義の振込先口座がわかるもの
 11. 世帯主及び受診者本人のマイナンバーがわかるもの

出典:島根県浜田市サイト

海外で治療を受けると色々な申請が必要になります。特に、外国語で記載された添付資料の日本語訳が必要になるので、翻訳費用などは負担しなければいけません。個人で翻訳OKの場合もあるので確認しましょう。

申請するときの注意点

  • 申請の時効は海外で治療費の支払いをした翌日から2年
  • 海外への直接送金はできないが、日本在住の家族が代理で受け取りが可能
  • 審査・支給までに時間がかかることも

海外旅行保険では適用外の歯科治療も適用される!

一般的な海外旅行保険では適用外の歯科治療も海外療養費制度では適用となるので知っておきましょう。

ただし、海外で受けた治療費と日本での標準的な治療費が大きく異なる場合があるので、心配な人は海外旅行保険に特約をつけておきましょう。

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