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【回答】海外移住をしたら老後の年金はどうなる?海外移住FPが解説します。

国民年金と海外移住
海外移住をしたら年金はどうなるのか知りたい人向け。

「海外で老後に年金を受け取れるのかな?海外移住をすると今まで支払っていた国民年金はどうなるんだろう、払った分だけでも老後が心配だから年金を受け取りたいな。」

こういった疑問に回答します。

こんにちは、海外移住FPです。
ブログを書きつつ、このサイトで海外移住の手続きやコツを解説しています。

そこで今回は、「海外移住をしたら年金はどうなる?」をご紹介します。今回は項目が多いので、目次を参考にしてくださいね。

海外移住をしたら年金はどうなる?

老後の年金
基本、脱退ですが、もらえます。

まずは、国民年金の仕組みから。

海外移住と国民年金の関係

心配や不安を解消するためにも年金の基礎知識について知っておきましょう。

国民年金は、日本国内に住所のある20歳以上60歳未満のすべての人に加入が義務づけられています。ただ、国民年金以外にも会社などに入社した場合に加入する厚生年金があります。

国民年金:日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人。
厚生年金:厚生年金保険の適用を受ける会社に勤務する全ての人。
共済年金:公務員・私立学校教職員など。(※現在、一元化されました)

つまり、基本的に住民票を抹消すると国民年金保険の支払い義務がなくなります。

日本国内に住所登録をされていない海外居住者は加入義務がない。

海外移住時の国民年金手続き

原則、1年以上を海外で生活する場合に提出する海外転出届を市町村役場などに出すと住民登録が抹消されるので、特に国民年金の手続きは不要です。

簡単ですね。

海外移住中、国民年金の扱いはどうなるの?

では、海外移住をしている間はどうなるのかというと、日本国内に住所を置いていない期間は合算対象期間の対象になります

合算対象期間とは、年金制度に加入していなくても資格期間に加えることができる期間のこと。 この期間は「カラ期間」とも呼ばれ、年金の受給に必要な資格期間に加えることはできますが、年金額の算定には反映されません。

ただ、最低10年間という必要な合算対象期間に含めるということになるので、原則、65歳以降になると年金を受け取ることができます。

原則、住民登録を抹消している合算対象期間として取り扱われますが、年金の受取額は少なくなります。

国民年金に加入しつづけるには?任意加入があります

先ほどに説明しましたが、日本国内に住所がない場合は国民年金の加入義務がありません。そうはいっても、せっかく保険料も払ってきたのに掛け捨てで無駄になってしまうのはもったいですよね。

そこで、国民年金に任意で加入することができます

この任意で加入をすることで少なくなるはずだったカラ期間分も年金額に反映させることができます!

海外から転入する場合も転入日が加入日となり、国民年金保険料は1か月当たり16,410円です(令和元年度)。まとめて前払いすると、割引が適用される制度もあります。

もし、長期間を海外で生活しながら国民年金を支払い続けたい場合は年間で約20万円なので、渡航前に資金を準備しておくと安心です。

住民登録をしていない海外居住者には「国民年金の意加入制度」があります。

国民年金に任意加入をする方法

年金の支払い方法
任意加入の手続きは、これから海外移住される方はお住まいの管轄する市役所へ、すでに海外移住されている方は年金事務所にて届け出ます。

納付方法は、本人の代わりに国内にいる親族等の協力者が納付する方法や日本国内に開設している預貯金口座からの引き落とす方法、クレジットカード支払いがあり、加入日の月から支払う必要があります。

また、扶養者がいる場合は各自で届け出が必要となり、特に配偶者は第3号被保険者から第1号被保険者への変更手続きが必要となるので直接、管轄の担当者にご確認ください。

納付期限は、納付対象月の翌月末日です。まとめ割引もあります。

ただし、将来の年金額を多く受け取るために少しだけ保険料を上乗せで納めることができる制度(付加保険料の納付)はできないので注意しましょう。

海外で国民年金をもらえるの?

では、海外で受給資格を得た場合に国民年金を受け取ることができるのでしょうか?

昔は、最低でも受給資格の期間が25年必要でしたが、平成29年8月1日の法改正以降は資格期間が10年以上あれば年金を受け取ることができるようになりました。

なので、年金の受給資格期間である10年間(満額で25年間)を満たしていれば、海外でも年金を受給することができます

どうやって海外で国民年金をもらうの?

国民年金を受け取ることができるようになったとき、海外の現地銀行口座で受け取ることができます。ただし、注意したいのが、振り込まれるのは日本円ではなく現地通貨に日本円から外貨両替されます。

もし為替手数料や為替レートの影響を大きく受ける国・地域に滞在していると支給額が目減りすることも十分ありえます。年金だけをあてにして海外移住をするのはリスクが高いと言えますね。

年金の支給開始は一般的に65歳からですが、自動的に年金が支給されるわけではありません。

海外に居住して年金を受け取る場合は、「国民年金・厚生年金保険老齢給付裁定請求書」(年金請求書)を年金事務所等に提出し、さらに届書「年金の支払を受ける者に関する事項」に必要事項を記入します。

その他にも滞在国が租税条約を締結している場合は別途、届け出が必要となります。租税条約については下記でご紹介します。

海外でも年金は受け取れますが、海外の銀行口座に振り込まれる場合は為替レートによって受給額が増減する可能性があります。

気をつけたい国民年金の免除・納付猶予・追納制度

国民年金保険料の支払いが経済的に難しい場合、手続きをすることで保険料の免除や納付猶予が出来ます。

免除や猶予になった期間は年金の受給資格期間(25年間)に算入され、免除に限り受取の年金額が納める金額により少なくなります。

また、受給する年金額を増やすには保険料免除や納付猶予になった保険料を後から納める(追納)をすることができます。しかし、この制度は任意加入をしている場合は使用することができません。

海外転出届を出している海外移住者は、原則として免除や納付猶予ができない。

その他に、時効(原則2年)で納めることができなかった(未納)国民年金保険料について例外的に過去5年分まで納めることができる(平成30年9月30日まで)「後納」という制度があります。しかし、国民年金に加入していないと未納には当たらないため、後納制度を使用することができません。

海外転出届を出している海外移住者は、原則として後納制度も利用できません。

海外移住で国民年金に任意加入する必要はあるの?

国民年金というと、将来の老後生活のため年金という大切な役割がありますが、その他にも気にしておきたい役割があります。それは、「障害年金と遺族年金」です。

障害年金は病気やケガのため、一定の障害状態にある間に支給される年金。遺族年金は本人が亡くなったとき、亡くなった方によって生計維持されていた一定の要件を満たすご遺族に支給される年金です。支給要件などはご確認いただきたいのですが、どちらも本人や家族のための重要な年金です。

老後の年金支給額、これからの支払い能力だけではなく、実は国民年金に任意加入するかどうかは、本人や家族が万が一のために考慮した上で決める必要があります

国民年金に加入していると、障害年金や遺族年金を受給できる可能性があります。

国民年金と社会保障協定の関係

社会保障協定とは海外に勤務する日本人を対象に年金の掛け捨てや保険料の二重払い等を防ぐ目的で国同士が取り決めです。

例えば海外勤務をすると、日本と源泉国(勤務先の国)で二重に社会保障制度に入ることになるので、いずれ日本に帰国する場合は無駄になってしまいます。

そこで、この場合は日本の社会保障制度を継続して、勤務先の国では年金加入を免除するなどという仕組みが取り決められています。まずは日本と給与が発生する国(勤務先の国)に社会保障協定が結ばれているかを確認しましょう。

平成25年8月の時点ではドイツ,英国,韓国,米国,ベルギー,フランス,カナダ,オーストラリア,オランダ,チェコ,スペイン,イタリア,アイルランド,ブラジル,スイス,インドとなっています。

但し、対象は日本に帰国することが前提なので派遣期間の基準は原則5年以内と定められているようです。日本の会社から派遣されて海外勤務をされていた方は通算期間になっているか等を確認した方がいいでしょう。

国民年金と租税条約の関係

租税条約とは、簡単に言う国同士で税の支払いをどちらの国で払うのか?等を決めている条約。

例えば協定相手国に居住している人が日本の年金を受給する場合、年金に対する所得税は年金条項のある租税条約を締結している場合、協定相手国で課税対象となり日本では非課税となる場合があります

締結していない場合は日本と相手国の両国に税金を納めなければならない可能性があります。

相手国で申請する場合は、日本年金の申請書は相手国の実施機関に備え付けてあるそうです。その申請書を相手国の実施機関に提出します。日本で申請する場合は、協定相手国の期間を通算して要件を満たすこと、日本の年金事務所または年金相談センターに日本年金の申請書を提出しましょう。

現在はドイツ、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストラリア、オランダ、チェコ、スペイン、アイルランド、ブラジル、スイスと協定を結んでいます(平成26年時点)。

最後に

海外移住をすると国民年金が受け取れないんじゃないとか思われる人も多いかもしれませんが、受給金額が少なくなりますが受給資格があれば海外でも受け取ることができます。

もし、将来の不安で年金をできるだけもらいたいという人は「任意加入」という方法もあるので検討してみましょう。